惑星の大気

観測惑星グループは2008年打ち上げ予定の日本の金星探査計画(仮称: プラネットC計画)に参加し、測器開発を進めています。この計画 で狙っている科学的目標を 以下に説明します。

プラネットCの想像図
図.雲の下を近赤外線で探査するプラネットCの想像図

金星の本体は恒星に対し周期24日というたいへん遅い逆行自転をしています。この遅い逆行自転そのものが太陽系七不思議のひとつなのですが、高度50-70kmにある雲層上部の大気はなんとその60倍の速さ、つまり周期4日で本体と同じ向きに回っています。この「超自転」あるいは「4日循環」と呼ばれる不思議な現象は、 1960年代に発見されたのですが、未だにその原因は解明されていません。その理由のひとつは金星全面を覆う分厚い雲にあります。つまり、雲のためにその下にあるはずの大気高速自転加速域が見えず、そのメカニズムの理解が進まなかったのです。ところが1990年代になって、波長1− 2マイクロメーターの近赤外域に大気の窓があり、雲下が透けて見えることが発見されました。しかも、異なる波長の窓では異なる高度の情報が得られるのです。我々はこのような近赤外の窓を含む多くの波長で金星大気を撮像し、異なる高度での大気運動情報を得ることで「超自転」の謎を解こうと考え、金星大気探査計画を推進しています。現計画では探査機打ち上げは2008年、金星周回軌道投入は2009年です。現在は、主力となる5台のカメラを始めとする測器デザインを進めています。