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Comparative Planetary Science
The Moon

月の起源と進化は、地球の起源と進化を理解する上でどうしても避けて通れない問題です。また、惑星探査をするためには、最も地球に近い星である月にまず行く必要があります。月に行く技術なしに火星や金星に行くことは大変困難です。月は惑星科学、惑星探査において、理学的にも工学的にも通り過ごすことができない天体なのです。

月の表面において最も顕著なのは、数多あるクレーターです。クレーターが天体衝突でできたことは、今では常識になっています。しかし、アポロ計画によって月面の詳細な探査が行われるほんの30年ほど前までは、火山起源説と衝突起源説が拮抗していて結論が出ていませんでした。回収された月の試料に衝突メルトや砕屑礫岩など天体衝突が激しく起こっていた証拠が明らかにされて始めて衝突起源説が決定的になったのです。 また、放射性同位体測定比を用いた正確な年代測定が行われ、衝突メルトの形成年代が38億から40億年前に集中していることも分かってきました。つまり、この時代に激しい巨大隕石の衝突(隕石重撃)があったことがわかるわけです。ところが、この38億年から40億年という数字は、実は非常に奇妙な数字です。というのは、月が形成されたのは約45億年前なので、それから5~7億年もの時間がたっているのです。惑星集積の理論計算からは、こんなに長い期間にわたって惑星の集積し残りの微惑星が内側太陽系に留まっていることは非常に難しいという結果が出ています。

 

 

 

また、月形成から5~7億年もの期間にわたって高い頻度での小天体(or巨大隕石)の衝突が続いたとすると、月の地殻には非常に大量の親鉄性元素(イリジウムや白金など)が隕石によって持ち込まれることになります。しかし、実際の月の地殻に見つかる親鉄性元素は、この推定よりはるかに低い濃度でしかありません。この矛盾を解決するために提案されたのが、大地変仮説(Cataclysm)です。これは、以下のようなシナリオです。激しい微惑星の衝突は、月の形成後1億年程度以内に終息し、数億年間静穏な期間が続く。その後再び何らかの原因により小天体の月への衝突頻度が激しい時期(大地変期)を3 8~40億年前に迎える。大地変期が終わった後は、隕石衝突頻度が現在にかなり近い低い値になる。この仮説を支持する証拠が、ウラン鉛同位体比の測定にも見つかっているため、この仮説を支持する研究者はかなり多くいますが、大地変を引き起こしたメカニズムが不明な点、大地変がなければならないことを示す確固たる地質学的証拠見つかっていないため、未解決問題として残っています。この38~40億年前というのは、地球上に生命が生まれり、大陸が大きく成長した時代であるとも考えられており、この時代に巨大隕石の激しい衝突があったのかどうかは、地球史を理解する上でも非常に重要な問題です。この問題を解決するためには、集積理論のより深い理解と共に、月面のより広範囲の年代測定が必要です。

 

 

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